2025/07/18 11:39
団地にある講師宅の庭ですが、庭木としては珍しくクヌギの木があります(子供がドングリから育てた木です)。残念ながら樹液を出すほど大きくないのでカブトムシは来ませんが、クヌギはいろいろな昆虫を引きつけます。
たとえばオトシブミ類の1種であるヒメクロオトシブミが来ます。求愛や交尾も起こります。オトシブミは葉を丸めて「ゆりかご」を作ります(「落し文」という名前の由来です)。ゆりかごを作る場面に遭遇することは稀ですが、完成したゆりかごは葉に付いていたり、地面におちていたりするので、採集が簡単です。そっと分解すれば、中の卵や幼虫、あるいは蛹が観察できます(分解後は湿度を与えることで成長させることができます)。
ほかにアリ、アブラムシ、テントウムシという共生や捕食が起こっていそうな面々や、ヨツスジトラカミキリという目立つ虫も来ます(ハチに擬態していますが、刺すことはありません)。

レモンやキンカンにはクロアゲハの幼虫がいて、蛹から羽化するまで観察することもできます。
授業では野外での観察と採集、室内での細かな作業を組み合わせて、身近な環境(庭)で起こっている命をつなぐ姿を見てもらいます。