2025/09/07 09:40
夏休みも終わり、涼しさと暑さが混じる9月の第一週は「くも」と「にじ」の観察をおこなうことにしました。秋の空の高さに気付いてほしくて!(まだ夏の空でしたが)
リカキョウの雲の観察では、タイムラプスビデオで雲の「動き」や「誕生と消滅」を目に見える形にして感じてもらいます。タイムラプスビデオは、植物の開花や昆虫の羽化のようなゆっくりした動きを、早送りして再生でき、便利なだけでなくドラマチックな映像が作れます。今回は30秒を1秒に短縮する設定で撮影しました。
タイムラプスビデオの思い出と言えば・・・、20年くらい前までは、動物の観察をする大学院生の多くが「タイムラプスビデオさえあれば・・・」と唇を噛んでいました。その頃はタイムラプス撮影ができるビデオカメラとデッキのセットは何十万円もしていたのです。ソレさえあれば、夜間の行動観察や一週間の状態変化などを少ない労力で記録、観察できるのに、学生には買えるものではありませんでした・・・。
今はデジカメやスマホ、タブレットでタイムラプス撮影ができます。今回はウェアラブルカメラを使って撮影しました。日によっては「まったく雲が無い」「厚い雲が空一面」など、撮影に不向きな日もありますが、土曜日の午前は、ほどほどの雲(積雲)が出て良い感じでした。空が広く見える近所の公園に行き、生徒に一台ずつカメラを設置してもらい、「自分の雲」を撮影してもらいました。

(↑タイムラプスビデオに映った撮影開始直後の風景)
セットして30分後、虹の実験を終えて自分のカメラの映像を確認すると「うごいてる!」「同じ所で消えていく!」「8倍速で再生するともっとよく分かる!」「あれから誰も公園に来ていない・・・」といつまでもカメラに見入っているので、「帰りの車の中で見て良いから、涼しい教室に帰ろう!」と説得して教室に戻りました。
雲の観察だけでなく、雲のでき方について知っていることを紹介し合ったり、身近な現象として、冷たい水が入ったコップに水滴が付くのは「空気中の水蒸気が冷やされて液体になったから」と伝えたりして、空に浮かんだ雲の話を、テーブルの上や海の水の蒸発にまで広げることができました。「どうしてふわふわした形をしているんだろう」という疑問も生まれました。お味噌汁に浮かんだ煙のような味噌や、水に落とした絵の具の水滴がふわふわと拡散していく様子と同じだろうか、違うだろうか、という議論をしました。
1,2年生の生徒も、三脚を操作して雲を狙う姿が様になっています!雲の名前や、雲と天気の関係を知っていたり、侮れません!
土曜日の雲の映像はYoutubeに上げています。