2025/09/21 09:28

先週のアゲハ幼虫の観察が賛否両論あったように感じられたため、ここは頭をきりかえて、次のテーマは「ギターを作ろう!」。もちろん理科ですので、おもちゃを作るのでは無く、理科(>物理>音)の体験をしてもらうためのギターです。「ボタン」を押せば決まった音が出るピアノよりも、弦の押さえ具合や、弦を短くしたり、強く張ったりすることで音が変わるギターは、音の性質を感覚的学ぶのにうってつけです。


ネットを調べると、ティッシュの空き箱に輪ゴムを掛けて、箱に絵を描いて・・・みたいな単純なギターしか見つからないので、もうちょっと本格的なものを考案することにしました。思えば20年前、大学に勤め始めた頃、数学の先生の部屋を訪ねると、竹に1本のテグス(釣り糸)を渡したものが置いてあり、聞くとギター(平均律ギター?)だと教えてもらいました。借りてコピーを作り、たまに遊んでいました。

ただその「竹ギター」はちょっと玄人好み(尺八なみの渋さ)で、子供にはインパクト薄いかもと思い、形をギターに似せながら、ゴムの弦をいろいろ調節することで音の高さを変え、さらに指で弦を押さえることで音が変わることを分かりやすくするためにフレットも付けることに(やりすぎたかも)。こうして3弦のリカキョウギター(Ver.1)が完成しました。3弦にしたのは、ギターならではの和音も出せるようにしたかったからです(弦を調節しなければただの不協和音ですが)。

こんな段ボール板でも、有ると無しでは音の大きさは違い、これが箱になるとさらに音は大きくなります。しかし箱を人数分用意するのは困難だったので、各自の家でティッシュの空き箱などを貼り付けることを勧めました。

開始時には、「作り方は教えません!見本を観察して自分で順番を考えながら、材料を切って貼って作りましょう!」と宣言し、あとは各自が思い思いに作っていくのを講師はサポートしました。(ドリルでの穴開けは講師がおこないました。)

実際に作ってみると、
 ・割り箸を3膳接着するのも苦戦気味
 ・ドリルで箸の両端に開けた直径2mmの穴に爪楊枝を押し込むのも子供の力では難しい
 ・段ボールを曲線に切るのも難しい
 ・ボンドが固まるまでそっとしておけない
 ・輪ゴム結べない
などの困難に直面しながらも
 ・割り箸や爪楊枝の上手な折り方
 ・ボンドの塗り方をいろいろ試す
 ・ボンドが固まるまで待つ力
 ・見本は3弦でも「6弦」に増やす!
など、様々な工作技術を身につけ、工夫もおこないながら、根気強く取り組み、全員が完成させ持ち帰ることができました。

音の学習でしたが、ものづくり(工学)の楽しさを知ってもらう機会でもありました。1人1人、工作への積極性や熟練度が違いますので、一緒に考えたり助けたりして、それでも自分だけの完成品を作ったことが、何かのきっかけになってくれたら良いなと思います。