2025/09/28 10:16

「またスポイトを使いたい」という1人の生徒の意見で、前々から「水って魅力的なんだ」と思っていたこともあり、水を使った実験をすることに。9月は「虹をつくる」に続き2回目の水を使った教室です。危険な暑さも過ぎ、寒さもまだ来ていない、9月ならではの実験材料と言えます。


水を使った実験となると、表面張力、水圧、浮力、「マーブリングで水流を可視化する」などが思い浮かびますが、8月初頭におこなった「酸・アルカリでムラサキキャベツ液の変化を観察する」を発展させて、「スポイトで液を一滴ずつたらして、酸を中和する」という、カラフルでありながら、ちょっと集中力が求められる実験をすることにしました。

使用する酸とアルカリの液体は、クエン酸、酢、重曹、灰を水に溶いたものの4種類。

実験は3つあり、1つ目は「クエン酸の濃度を変えると、酸の強さは変わるか?」というもの。濃度の違う塩酸(危険な酸)でも、それほど酸の強さが変わらないように、クエン酸も2倍、5倍に薄めても、ムラサキキャベツ液は似た色を示すことを観察します。しかし生徒達は「色が変わらない・・・」とちょっと不満気味。こういう「差が出ない結果」も大切な意味を持っているのですが、記憶には残りにくいのが残念です。

2つ目の実験は「酸からアルカリまで、強さの順に並べよう」というもの。8月の実験では、6穴プレートという、プラスチックの箱に6つの窪みがある容器を使ったのですが、今回は試験管代わりの小さな容器でおこなうので、自由に並べ替えることができます。液の性質が酸性からアルカリ性へと変わるに連れて、ピンクから紫、青、緑へと、きれいに色が変化する様子を観察しました。やはり色が変わる瞬間は生徒達も楽しそう。

3つ目の実験は、「クエン酸でピンク色にしたムラサキキャベツ液にアルカリを徐々に混ぜて、もとの色に戻す(中和する)」という実験です。スポイトで1滴、2滴と加えながら色の変化を注意深く観察します。酸とアルカリの強さによって水滴の数が変わることを観察しました。みんな化学者みたいに真剣にとりくみました(白衣を着ると一層気合いが入るので、いずれ用意したいと思います)。

クエン酸と重曹をまぜたときに、うっすらと二酸化炭素の泡が出ることに気付いた生徒達は、「火山つくりたい!」とクエン酸粉末や重曹粉末をドバドバ投入して、泡を吹き出させて楽しんでいました!前の3つの実験よりも、この瞬間が一番イキイキしていました!

最後に「洗剤に『まぜるな危険!』って書いてあることがあって、それは二酸化炭素じゃ無くて危険なガスが出るんだ」と伝えました。食品だけで無く、身近なところに酸とアルカリがあることに気付く機会になったと思います。