2025/10/05 14:28

10月に入りようやく日中も涼しく感じられるようになったので、「昆虫採集」に出かけることにしました。ただの昆虫採集では塾の活動にならないので、「どこで、何をしているか」に注意して、「行動観察」しながら昆虫採集することに気を配りました。カメラも、マクロ撮影に強いカメラと、望遠が強いカメラを持ってでかけます。望遠機能を使うと、遠くの鳥の顔や羽毛の模様もよく観察することができます。


出かける先は、近所の公園です。チョウやトンボが飛んでいますが、やはり目立つのはバッタ類!人が歩くとバッタが何匹も飛び出してきます。しかし飛び立つまではどこにいるかまったく気づけません。バッタの体の色や、むやみに動かない行動特性が、肉食性の昆虫や鳥に見つかるのを防いでいるのです。でも子供達もそんなバッタの特性をよく分かっていて、歩いてバッタを飛び立たせては、着地した場所にそっと近づいて網を振り下ろし、うまく捕まえています。大きなトノサマバッタは20m以上も飛び続け、何度も接近しては逃げられ、10回くらいは挑戦しました。

次に見つけたのはクモでした(小さめのジョロウグモ)。網を張っているクモは見つけやすいので、良い観察対象なのですが、好き嫌いが分かれる生き物なので、今回「捕まえよう!」と言ってくれた生徒がいたのはうれしかったです。本当は捕まえるよりも、クモの網に生きた虫を貼り付けて、クモが捕食するまでを観察するのも良いのですが、実はその行動は講師自身が子供の頃に恐怖を感じた行動でもあるので、生徒のメンタルの強さを考えながら見せるようにしていきます。小さめのクモなら、それほど恐怖は感じないはずです。

他の大物はカマキリでした(ハラビロカマキリ)。今回は、週の後半が雨だったので、2日しか昆虫採集ができなかったのですが、その2回ともカマキリを捕まえることができました(1回目の個体は生徒が持ち帰り、2回目の個体は逃がしました)。カマキリなんてよくいるよ、と思っても、狙って探そうとするとなかなか見つからないもので、出かける前から「カマキリ捕まえたい!」と言う生徒がいると、「がんばろうね!」と言いつつも「成功確率は50%くらいかな」と頭の中では考えています。なんとか成功率を上げていきたいです。前もって捕まえておく、というのは避けたいです。やはり昆虫採集は運不運まで味わってこそですから。

捕まえたカマキリをバッタのいるケースに入れると、やがて捕食が起こります。むしゃむしゃと食べるカマキリと、頭を食べられても脚を動かすバッタに、子供達は興味深く見入ってます。昆虫は人間のように巨大な脳ではなく、体の各部分に小さな脳を持っているので、頭を食べられても脚が動かせるのかもね、と話しました。

いつも行く床屋さんから「孫(小2)がカマキリを飼っていて、毎日虫を捕まえて餌にしてる」と聞いて、すごい根気だなぁと感心しました。今回捕まえたカマキリを持ち帰った生徒も、餌を与えて飼い続けているようです。こんなにカマキリが人気とは思っていなかったので、もしかしてカマキリブームが来ているのだろうかと感じさせられます。一方、生態学の研究では、ハリガネムシに寄生されたカマキリが食物連鎖で果たす役割や、カマキリが水を探して飛び込む仕組みがここ10年ほどで明らかにされつつあります。誰もが知っているカマキリですが、自分の目で確かめたり、新たな事実が明らかにされたり、まだまだ驚かされるふしぎな生き物のようです。