2025/11/01 14:23
アリを踏み潰す、カエルのお腹を指で押す・・・、残酷な行為ですが、子供の頃には誰しもしたことがあるのではないでしょうか。その経験を経て、命の重みや不思議さが分かっていくのかも知れません。
ダンゴムシの観察と実験を通して「ダンゴムシも生きている」あるいは「何か考えていそう」と感じてもらえるのではないか、あるいは見たままに「脚を動かして前に進む」「他の個体をよける」ことを知って、小さな動物への見方が変わるのではないかと思いました。「命を大切に」とはあえて言いません。ただ生きているダンゴムシを見て何か感じ取ってもらいたいと思い、「ダンゴムシの観察と実験」をおこないました。

まずは教室の庭にダンゴムシを捕まえに出ます。どんな場所にいるかはよく知っていて、石をひっくり返してダンゴムシを見つけるとともに、コガネムシの幼虫やハサミムシも捕まえました。餌が何かも知っていて、落ち葉も一緒にケースに入れてやりました(授業時間中にフンがいっぱいころがっているのに気付いた生徒もいました)。1人の生徒が「コンクリートも食べる」と言います。甲羅の材料となるカルシウムを摂取するようです。
ダンゴムシは何の仲間か知ってる?と問うと、海の近くに住んでいる生徒は「フナムシでしょ」と答えてくれました。ダンゴムシはエビやカニと同じ甲殻類で、甲殻類は昆虫やクモとともに節足動物に含まれます(しかし、用意した系統樹にはほとんど興味を示しませんでした😂、参考:節足動物の系統樹、甲殻類の系統樹)。
ケースの中を動きまわる様子を眺めながら、顔やお腹の写真を撮って細かい部分の観察をします。
その後、2つの実験をしました。1つ目は、2匹のダンゴムシを竹ひごの両端から進ませると、出会ったところで何が起こるか、という実験。ぶつかって落ちるのか、ケンカでも起こるのか、と見ていたら、とてもスムーズにすれ違うので、生徒達からは笑いが起こります。
もう1つの実験は、ダンゴムシは迷路のゴールにたどりつけるか、という実験。この実験は、ダンゴムシの習性である「交替性転向反応」を利用して、あたかもダンゴムシが試行錯誤してゴールに到達することができるようにしたものです。ダンゴムシは、壁にぶつかるたびに、最初が右なら、次は左と、左右交互に方向転換します。理由はよく分かっていません。しかし、ダンゴムシも常に「交替性転向反応」を見せるわけではないので、何個体もダンゴムシを進ませて確かめました。期待通りに曲がると「おおー」「コイツ頭良い」、逆に曲がると「そっちじゃない!」「バカだ」と言われ、ダンゴムシも大変です。観察を通して「壁にぶつからなくても曲がる、目が見えるんじゃない?」「触覚触れただけで曲がるんじゃない?」など、いろいろな意見が聞かれました。

それ以外にも、観察を通してさまざまな「意見のやりとり」がありました。
「今度やったら(竹串で)突き刺すぞ」「それはかわいそうでしょ」
「(コガネムシの幼虫が噛んだから)こいつ殺して良い?」「殺さなくても良いよ」
「脱皮したての子はどうなったかな」
「300王様(300年生きてきたという設定の一番大きなダンゴムシ)元気なくなってきた」
「ハサミムシがダンゴムシを殺した」「えん罪じゃない?」
このようなやりとりは、1人で観察しているだけでは起こりにくく、他の人と机の上で観察するからこそ起こったと考えられます。
ダンゴムシは動き回るので見ていて飽きず、体の大きさにも違いがあるので家族や社会(王や家来)を想起させ、なんともほのぼのとしています。丸まったり、なかなか丸まらなかったり、あまり動かなかったり、壁に登ったりと、個性もあるように感じられました。乱暴な言葉はたまに聞かれましたが、竹串のような危険なものがあっても、だれも殺すようなことはせず、丁寧に指でつまむなどしていました。ダンゴムシはどう見ても無害で、守ってやりたくなる存在なのかも知れません(触りすぎたら弱るよ、と思うことは多々ありましたが😅)。
