2025/12/13 17:18
恐竜・・・。圧倒的な知名度にも関わらず、小学校ではほぼ習わない生物です(中学校でも、高校でも、さらに大学でも)。
習わない理由の1つは「研究の途上だから」でしょう。私が子供の頃(40年前)は、ティラノサウルスは背筋を伸ばし、ステゴサウルスはしっぽを引きずっていましたが、今はどちらも横から見てヤジロベエのような姿になりました(最初にこの姿勢を見た時は、びっくりした)。40年前は主要メンバーでもなかった、スピノサウルス、ラプトル類、テリジノサウルスは今ではすっかりメンバー入りです。
習わない別の理由として、化石は「身近に無い」「触れない」「動かない」という点があるでしょう。アサガオやメダカのようにはいかず、体験するなら博物館に行ったり、化石掘り(貝か葉っぱが見つかる)をすることになります。
そんな恐竜をどうにか「教室で体験」したいと思いました。模型で遊ぶ?、模型を作る?、絵を描く、動画を見る・・・、あまり「学び」として魅力的ではありません。生徒達が博物館に行ったときに、より楽しく観察できるような視点を、教室で身につけてもらうための活動は何かと考えました。
博物館で組み立てられた恐竜化石を見た時、「すごい!」「おおきい!」「○○サウルス!」と感動します。しかしあくまで「全体の雰囲気」に圧倒される感じではないでしょうか。ティラノサウルスなら歯にも目が行きますが、草食動物の歯や、各部の骨の形、それらの種ごとの違いにはあまり目がいきません(骨の数が多すぎるから、というのもあるでしょう)。
そこで、何種類かの恐竜の全身骨格をプリントし、同じ骨(例えば、太ももの骨)を同じ色で塗ってもらうことにしました。用意したのは、ティラノサウルス、アロサウルス、トリケラトプスなどです。そしてヒトも用意しました。

ティラノとアロはどちらも肉食恐竜で、かなり似ていますが、ティラノの前脚はとても小さいことに気付きます。この2種の骨を塗ったあと、トリケラトプスの骨を見ると「デカ!」「ふと!」と声が上がります。太くて短くて、まるで岩のようです。
最後に「恐竜の体のどの部分に一番ちがいが見られるか」、そして「それはなぜか」という問いに取り組んでもらいました。生徒の答えは「アタマ!食べるものが違ったり、防御用のトゲが付いたりして、ちがいが大きい」というものでした。
結局、一番目立つアタマに一番ちがいが現れる!という結論なのですが、恐竜の体がヒトの骨とも似たパーツでできていることを確認し、その上でアタマの形がこんなに違うと気付くことができたと思います。

さらにネットの動画を見て、形や生態について分かってきていること、また研究が進むにつれて書き換えられていった事柄なども学びました(スピノサウルスの研究の歴史はおもしろかった!)。
「恐竜は研究途上」という点は、これから科学に興味を持つ生徒にとってとても重要なことだと思います。今、図鑑に書いてある説明や描いてある姿は、今後置き換わっていくかも知れないし、あるいは永久に正しい答えが見つからないかも知れません(恐竜の図鑑には、たいていこのような注意書きがあるのですが、あまり注意が払われません・・・)。そういうナゾに挑むのが科学であり、恐竜はそのことを教えてくれるのです。
