2026/01/25 13:12
自分の体にひそむ不思議を感じてもらいと思い、見えるものが見えなかったり、見えないものが見えたりする「盲点、残像、錯視」をテーマにしました。いずれもテレビや本などで紹介されて「こう見えるでしょうけど、実はこうだよ」というタネ明かしがされますが、へーそうなんだ、聞いたことある、で終わってしまっては、体のつくりや脳のふるまいに思いをはせることに繋がりません。ぜひ時間をかけて体験をしてもらいたいと考えました。

「盲点」は、脊椎動物の眼が持つ欠陥で、テレビに例えれば「画面の一部から電源コードが出ている」状態なので、その部分の映像は見えません。それでも私たちが日常生活で盲点に気付かないのは、普通は両眼で見ているからですが、片目で見る場合でも、脳が周囲の情報をもとに「その場にありそうな色や模様」を作りあげてくれているからです。
盲点を体験するための画像を印刷した紙を、顔に近づけたり遠ざけたりすることで、①自分の眼に見えない部分(盲点)があること、②見えていない部分を脳が「見せてしまう」ことを感じてもらいたいと思いました。ところが「できない・・・」という生徒が多く、また「できた!」と言う生徒も、本当に体験できているのか確かめようが無いという、なんともつかみ所が無い結果になりました。「ほかの人の見ている世界は、自分には分からない」という、深いココロの世界に入りかけました😅
「残像」は、強い光や速い動きにより映像が残って見える現象で、例えば強い刺激である赤い模様を見続けると、眼の細胞が赤に反応しにくくなるため、その部分が青っぽく見えます。残像の体験でもっとも楽しんだのはコマ回しで色を混ぜる活動で、とくに「ベンハムのコマ」は白と黒の模様なのに「色が見える」という不思議を体験でき、また虹色のコマを回すと「白く見える」というのも驚きがありました。なにより体を動かすのが生徒達には楽しかったようです😄

ベンハムのコマの不思議なところは、人によって見える色が違う(らしい)という点で、講師には黄土色や緑などが見えるのですが、生徒によっては「青!青しか見えない」らしく、これは色を感じる視神経の反応に個人差があることが原因のようです。人と自分で「ものの見え方、感じ方」が違っても良い、ということを伝える良い機会にもなりました😄
簡単と思っていた「錯視(視覚の錯覚)」もクセモノで、「どっちが長いかな?」と生徒に聞くと、ちょっと考えてから「同じ!」と答えてくれるのです(問題文のウラを読むのはいいことです😅)。口では「同じ」と言ったものの、心の中ではきっと「こっちが大きく見えるけど・・・」と思っているはずなので、定規で測って本当に同じだという事を確かめてもらいました。ほかにも動いて見える錯視や、色が違って見える錯視なども体験してもらいました。
おまけとして、「壁のシミが顔に見える現象」や、平面でも立体に感じる「立体視」も体験してもらったりして、いろいろな「見えることの不思議」を知ってもらいました。
眼でモノを見るのは、ほぼ無意識におこなっているので、「この点を見続けながら、別の点が消えるかどうかに注意して」とか「2つの点が3つになるように焦点をずらして」というのは小学生には難しかったかも知れません。また、「なんで私にはこう見えるのだろう」「見えていないものが見えるとは」というところまでは考えるのは難しかったようでした。それでも、教室にあったハチの標本を見て、「ハチの眼はどうやって見えてるの?」とか「トンボには見えない部分はあるの?」と、他の生き物の「世界の見え方」に興味をもってくれたようでした。
