2026/09/04 17:22

テレビでたまに目にする「大量の片栗粉を水に解いて、その上を走る!」という実験をやっていると、ついつい見入ってしまいます。「そっと触ると液体、強く握ると固体」になる(らしい)ダイラタンシーと呼ばれる現象です。「らしい」と書いたのは、私自身、やったことが無いからです😅。


テレビ番組のように大量の片栗粉を用意することはできませんが、「このところ、水をスポイトで測ったり、何かを溶かしたり、加熱したりという活動ができていないな」と思い、①ダイラタンシー現象の再現実験をおこない、ついでに②水溶き片栗粉が加熱によりネバネバになる「糊化(こか)」を観察して、さらに「食べる」ことにしました(片栗粉で作る「わらび餅」です)。

片栗粉(スーパーで売っているのは、じゃがいもデンプン)は不思議な粉です。小麦粉のサラサラ、フワフワした感触とは違い、握るとギュッギュッと音がしそうです。生徒たちには、まず片栗粉25グラムを測り取ることから始めてもらいました。ハカリの上に袋を乗せて、針を0グラムの位置に調整し、スプーンで片栗粉を加えていきます。ときには粉を舞い上がらせたりしながら、真剣に25グラムを測りました。

次に水を加えていきます。「25グラムの片栗粉に何ミリリットルの水を加えれば、ダイラタンシーが起こるか調べよう」という課題を設定し、スポイトで水を注ぎ入れてはビニール袋の上から確認する、という作業を繰り返してもらいました。

ここで問題になるのが「水をどれだけ入れたか分からなくなる」ということです。この失敗を避けるために、「スポイト1回分はどれだけの量か」「それを何回入れたか記録しよう」と呼びかけるのですが、やる人とやらない人が出てしまうのですね😅。記録しないと、3回あたりまでは覚えていられるのですが、そのうち「4回?5回?」という感じになって、課題はクリアできません!

ダイラタンシー現象が起こる水の量はそこそこ厳密に決まっているようで、水を入れすぎると握ってもかたまりません。「ダイラタンシーって何だろう」「触ったこと無い」という状態で始めた実験ですが、「そっと触ると液体、強く握ると固体」という情報だけで、水を加えながら固さを確認する作業を繰り返すことで、意外と上手にダイラタンシー現象を再現していました😄。

次は「わらび餅づくり」です。レシピに従い水溶き片栗粉を作り、かき混ぜながらカセットコンロの弱火で熱すると、ある時点で急に透明の「もち」ができはじめ、一気に全体が「透明なネバネバ」に変わっていきます。火を使うところまでは講師がナベを握っていましたが、そのあとは生徒たちにゆずり、スプーンですくったネバネバを氷水の中に落として、冷えたわらび餅が完成しました😄

今回、一番衝撃を受けたのは、このわらび餅の実食でした。「食べられない」という生徒が続出しました😅。きな粉が苦手だったり(粉っぽいから?)、透明な餅の「味の無さ」が苦手だったり(言われて見ればそうだ)、気付かされることの多い貴重な体験でした😳。

ちなみに「わらび餅」は名前の通り、もとはワラビの根からデンプンを取って作っていたそうです。ワラビはシダの一種で、若い地上部はあく抜きをして煮て食べますが、根まで利用していたのです。しかし、とても少ない量しか取れないらしく、とても「やってみよう」という気持ちにはなりません。「くず餅」や「くず湯」も、よく生えているクズの根から取ったデンプンで作るのですが、こちらも掘り出すのに何メートルもの穴をほらなくてはならないらしく、やはり「やってみよう」という気持ちにはなりません。現代人は様々な「食感」をたやすく得ることができますが、昔の人にとっては「トロトロ感」や「モチモチ感」あるいは「カリカリ感」や「グニグニ感」などの変わった食感は、苦労してでも楽しみたい貴重なものだったのでは無いかと思います。