2026/10/10 16:21

暑さが残る9月が過ぎて10月に入ると、今度はうっすら寒さも感じるようになり、日が落ちるのも早くなっていることに驚きます。長崎の祭「おくんち」と、昔の「体育の日」が含まれる週に行う授業は、外で水を使って体験する「雨は何ミリ降ってくる?」にしました。地学に含まれる「気象」のテーマです。


生徒たちに、今年の夏の雨について聞いてみると、「少なかった」と答えてくれました。確かに、7月上旬の梅雨空けから9月上旬まで雨が降らなかったのは、異常と言って良い少なさでした。一方で9月末には72時間で150ミリを超える、災害の危険もある大雨だったことも伝えました(佐世保や大村、諫早など)。

この雨の量を示す「ミリ」って何だろうと聞いてみると、「ミリリットル」と答えてくれました。液体を測る単位としてリットルをイメージするのは正解なのですが、実はこのミリはミリメートルのことで、「雨が流れずにたまっていった場合の高さ」を表しています(通常は、1時間にたまる雨の高さ)。「ミリ」だけではちょっと分かりにくいですね。

では、長崎では「1年間」でどれくらいの「高さ」の雨が降るでしょうか?生徒たちは「1メートルは行く」とか「10メートル!」「100ミリかける365日で・・・」とか、いろいろな意見を出してくれます。これは想像で答えるのも難しい質問です。そんな1年間の雨の高さは気象庁の過去のデータから調べることにします。

このWebサイトを開くと「なんで記録を残してるの?😳」という質問が出ました。記録を残すことが当たり前と思っていたので、ちょっとビックリしましたが、「昔の温度や雨の量を現代と比べれば、温暖化の影響があるかどうか分かるよ」と答えて乗り切りました😅。

長崎気象台のデータは明治時代から残っていますが、最近10年の年間降水量を見てみると、1800ミリから2400ミリ程度まで、平均すると2メートルほどだと分かりました。大人の背をちょっと超えるくらいの雨が、長崎では降っているのですね。この10年間のデータを棒グラフにしたあと、自分が生まれた誕生日の雨の量なども調べて、「雨のデータ」を身近に感じてもらうようにしました。

数字が並んだデータは、小学生にとってはまだまだ面白みが無いようで、テーブルに置いてある「雨を集めるための容器」に気持ちが引き寄せられます。家にある容器を何種類か集めて、外でホースからシャワーを降らせて「人工的な雨」の降る量を量るのに使うのですが、そのための容器としてどれが良いのか、考えてもらいました。

1つ目は、牛乳パックを半分の高さに切ったもの、2つ目はペットボトル(加工無し)、3つ目はコップ(上下の広さが違うもの)という、3種類から選んでもらいました。最初はコップやペットボトルなど、カッコイイ容器を選びがちですが、「雨の量は水が溜まった高さを測るんだよね」とヒントを出すと、「コップじゃダメだ、ペットボトルもダメ」と気づき、生活感のある「牛乳パック」が実は適していることに納得してもらいました。

そんな「適した容器」と「不適な容器」、そして「ろうと」や「皿」なども持って外へ出て、容器への水の溜まり方を観察します。ホースからの水の出方を「霧」もしくは「じょうろ」にして、1分間で容器にたまる様子を観察することにしました。

ホースを持つ人と、ストップウォッチで時間を測る人を決めて、容器に雨を降らせます。いろいろな失敗があるので、何回か測定し、さらに傘を差してその雨の中に入ったりして、雨を体験してもらいました。水が容器に溜まっていく様子を見るだけでも楽しいものです。深さを測るには定規を使いますが、透明な水の深さを測るのは、とくに牛乳パックの場合に難しかったです。色を付けると見やすいでしょうが、ちょうどこの時期に咲いているツユクサの花びらをつぶして色水を作れば見やすくなるだろうと、後で気付きました😅。

1分の実験で、水は牛乳パックに2ミリほど溜まります。1時間に換算すると120ミリとなります。1時間雨量は10ミリで「強い雨」、30ミリで「バケツをひっくり返したような雨」と言い表しますので、生徒たちの体験した120ミリの雨はかなりの豪雨ですが、1時間雨量の史上1位は千葉県の153ミリ(1999/10/27)ですので、ホースの水を1時間浴びっぱなしということになります😱。

今回は、雨をどうやって測るのか考え、データやグラフに親しむことで、科学的な見方や考え方を感じてもらう機会としましたが、「水が容器にたまっていく」だけで楽しいようでした。実際の雨は、1時間に数ミリしかたまらないので、観察するには根気が必要ですが、ほどよい雨が降る日に容器を外に置いて、ゆっくりと溜まっていく様子を観察して欲しいです。

薄く広範囲に降った雨が、狭い領域に集まった時に「洪水」が起こることも、いつか疑似体験したいです。